主な収入のほかに不労所得が得られれば、生活の心配が減り、自分の時間を自由に使ったり、好きなことに挑戦したりできるようになります。一朝一夕で億万長者になることは難しいですが、初期段階に一定の時間や努力や資金を投資することで、不労収入をつくることは可能です。この記事では、不労収入の種類について解説し、不労所得の作り方のアイデアをご紹介します。
不労所得とは
「不労所得」とは、働かずに得られる収入を指します。具体的には、仕組みや資産を一度構築してしまえば、その後はほとんど手をかけることなく、継続的に収入が得られる仕組みです。
「不労」と称されてはいますが、実際には初期の段階で一定の時間や努力、資金を投資することが必要になります。例えば、ブログを運営して広告収入を得るためには、記事の作成やSEO対策が必須です。不動産投資などを通じて収益を得る場合でも、初期段階の資金投入や投資先の選定には時間と知識が求められます。
一度仕組みの構築が完了したら、後は比較的少ない労力で収入が得られるようになります。
不労所得の作り方23選
1. ドロップシッピングビジネス
ドロップシッピングは、在庫を持たずに商品を販売できるビジネスモデルです。通常のネットショップでは、商品を仕入れて在庫として保管する必要がありますが、ドロップシッピングではメーカーや卸売業者といったサプライヤーが直接商品を発送してくれるので、自分で在庫を管理したり、発送手続きを行ったりする必要がありません。
初期費用を抑えてECサイトを立ち上げることができるため、0円起業として人気のビジネスでもあります。ニッチで高単価の商品を見つけて、一度ビジネスの仕組みを整えれば、比較的手間をかけずに収入を得ることが可能です。
ドロップシッピングを始めるには、メーカーや卸売業者と直接契約する方法と、ドロップシッピング向けの商品を扱っているDSP(ドロップシッピング・サービス・プロバイダー)と契約する方法があります。
2. オンデマンド印刷での商品販売
オンデマンド印刷(プリント・オン・デマンド)は、版を作る必要がある従来の印刷方法とは異なり、デジタルデータを商品に直接プリントできる印刷方法です。Tシャツ、帽子、トートバック、マグカップ、ステッカー、スマホケースなどのグッズのデザインをECサイトに登録しておき、グッズを受注生産します。1点ずつ印刷できるので、在庫を抱えることなく、利益を得ることができます。
デザインのスキルは求められますが、一度デザインデータを登録すれば、注文が入るたびに不労所得を得ることができます。また、オンデマンド印刷会社のほとんどは、ドロップシッピングに対応しており、出荷と配送を代行してくれるため、発送作業を行う必要がありません。サイドビジネスとしても人気です。
3. デジタル素材の販売
写真、動画、イラストや絵、音楽、効果音、スクリプトやプラグイン、ウェブサイトのテンプレートなど、デジタルデータを用いた商品をECサイトで販売できます。写真や動画の撮影、イラストの制作、音楽の演奏などを趣味としている場合は、趣味をお金にすることができるチャンスでもあります。一度素材を登録すれば、恒久的に販売を続けることができます。
自身のECサイトのほかに、PIXTA(ピクスタ)やAdobe Stock(アドビストック)、Shutterstock(シャッターストック)といったストック素材の販売サイトに登録しておくことも可能です。
4. 電子書籍の販売
書籍を執筆し、epubまたはpdfフォーマットにまとめて、Amazon Kindleやその他のプラットフォームで電子書籍として販売することができます。電子書籍は無形商品・商材であるため、在庫を管理する必要もなく、一度出版できれば継続的に収益を得られます。
出版後は、プロモーション活動を通じて読者を増やすことが成功の鍵となります。また、定期的な更新や新しいコンテンツの追加によって、長期的なファンを獲得することも可能です。
5. LINEスタンプの販売
オリジナルのイラストやキャラクターのスタンプをつくり、LINE(ライン)のスタンプショップで販売することで不労所得を得られます。LINEスタンプは、審査に通れば誰でも販売することが可能です。初期費用はデザイン作成にかかる時間と労力のみで、売れた分だけ収益が得られます。
人気のスタンプは繰り返しダウンロードされるので、安定した収入が期待できます。自分のブランドやキャラクターを広める手段としても有効です。
6. NFTアートの販売
NFT(ノン・ファンジブル・トークン)は、音楽、動画などのデジタルアートを唯一無二のデジタル資産として、ブロックチェーン上で販売されているものです。「非代替トークン」とも呼ばれています。
NFTアートは、一度販売すれば、再販されるたびにロイヤリティ収入を得ることができるため、継続的な不労所得につながります。クリエイターやアーティストの新たな収益源として注目されています。
NFTアートの作り方は、他の音楽や動画と変わりません。NFTマーケットプレイスに作品をアップロードしたり、専用の販売アプリを利用したりする必要があります。
7. ブログの運営
ブログからの広告収入やアフィリエイトで収益を得ることができます。初期費用としてドメイン取得やサーバー代などが必要になり、ブログが成長するまで定期的に投稿を続ける努力が必要ですが、訪問者が増えれば、安定した不労所得につながります。SEO(検索エンジン最適化)を工夫してアクセス数を増やすことが、収益を増やすための秘訣です。
ニッチなテーマのブログや専門知識に特化したブログは、読者の信頼を得やすく、類似ジャンルでの広告収入も期待できます。ブログで取り上げているジャンルで広告主と直接契約できるアフィリエイトプログラムを活用できれば、高い報酬率が期待できます。Pinterest(ピンタレスト)など他のSNSと連携したソーシャルメディアマーケティングも有効です。
8. YouTubeチャンネルの運営
YouTubeチャンネルも不労所得につながります。YouTubeパートナープログラムに加入して広告収入を得たり、ライブ配信でファンから投げ銭を受け取ったり、YouTubeチャンネル関連グッズを販売したりと、さまざまな方法でYouTubeを収益化することができます。配信を中心としたチャンネルの場合は、Twitchと同時配信を行うことで、さらに客層を広げることも可能です。
チャンネルの登録者数が増えたら、Amazonアフィリエイトなど、各種ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)に登録し、アフィリエイトマーケティングを組み合わせるのも効果的です。
9. Instagramの収益化
ブランドや企業との提携やPR、インスタアフィリエイトなどを使えば、インスタで稼ぐこともできます。
インスタで収益を増やすためには、必ずしも大量のフォロワーが必要というわけではありません。もちろん多いに越したことはありませんが、特定のジャンルで情報価値の高い投稿を続けることで、ユーザーの信頼を得ることができます。
ビジュアルに特化したSNSであるインスタでは、視覚に訴えるコンテンツを継続的に投稿し、フォロワーとの信頼関係を築くことが成功の鍵となります。
10. Facebookの収益化
Facebookページやグループの運営も、不労所得につながります。コミュニティにサブスクリプションをつけて、定期的な収入を目指しましょう。
Facebook収益化ツールを使うと、フォロワーの投げ銭などから直接収入を得ることが可能です。また投稿やライブストリーミングを通じて商品やサービスを紹介したり、投稿した動画に広告を掲載することでも収益が得られます。
11. オンライン講座
英語教室や、オンラインヨガなど、オンライン講座を開催するのも一つの方法です。オンライン講座では、リアルタイムでライブ配信をしたり、録画済みの講座を販売することができます。最初は継続的に実施する必要がありますが、一度実施した講座の動画をコースにまとめて販売したり、サブスクリプション型の料金設定をしたりすることで、不労所得が得られます。
Udemy(ユーデミー)、Brain(ブレイン)、ストアカなどの専用プラットフォームを利用することもできます。
12. 民泊
空いている部屋があれば短期的に貸し出して収入を得ることができます。Airbnb(エアビーアンドビー)などのプラットフォームを利用すれば、観光客や出張者などをターゲットに、手軽に始めることができます。物件の管理や清掃、ゲスト対応については、代行してくれる業者もあります。特に都市部や観光地では高い需要が見込めます。
13. 車の貸し出し
自分の車を使用していない時に、他人に貸し出すことで、不労所得を得ることができます。昨今では、Anyca(エニカ)、CaFoRe(カフォレ)、GO2GO(ゴーツーゴー)、OURCAR(アワカ)といった個人間のカーシェアリングサービスが登場しています。都市部や観光地といった利用者が多いエリアに住んでいる場合は、高いニーズが見込めます。自家用車の保険やメンテナンスにかかるコストを、貸し出しによって稼ぐことができます。
14. 駐車場レンタル
ガレージや駐車場のレンタルでも不労所得を得ることができます。例えば、自宅やアパートに駐車スペースがあり、使っていない時間帯がある場合は、akippa(アキッパ)や軒先パーキングといったサービスを通して貸し出すことができます。
旅行や出張で数ヶ月間駐車場を使わない、昼間は出かけていて駐車場が空いている人は検討してみましょう。
15. スペースレンタル
自宅やオフィスの使っていないスペースをレンタルスペースとして貸し出して、収入を得ることができます。会議室、撮影スタジオ、倉庫、カフェ風スペースなど、さまざまな用途の貸しスペースが求められています。貸し出しには、Spacee(スペイシー)やスペースマーケット、軒先ビジネスなどのプラットフォームが便利です。
地域のニーズを見極めて、適切な価格設定を行うことで安定した収入が期待できます。初期投資が少なく、場所によっては大きな収益が見込めます。
16. コインロッカー
公共の場や商業施設などにコインロッカーを設置して、利用者からの使用料で収益を得ることができます。特に観光地や交通の要所、ショッピングモールなど、高い需要が見込まれる場所に設置できれば、安定した収入が期待できます。初期投資としてロッカーの購入や設置費用が必要ですが、一度設置すればメンテナンスは比較的少なく、長期にわたって収益を得ることが可能です。
17. 自動販売機
自動販売機の設置は、公共の場所や人通りの多いエリアに自販機を設置し、その売上から収益を得るビジネスモデルです。時間帯を問わず、24時間いつでも商品を販売できるので効率が良く、駅前や商店街、オフィス街など、人通りの多い場所に設置できれば、高い収益が見込めます。
初期投資として自販機の購入や設置場所の確保が必要になりますが、設置後は定期的な補充とメンテナンスを行うだけで、ほとんど手間をかけずに収入を得られます。費用を支払って、飲料メーカーに運営を委託することもできます。ただし、ゴミや騒音、いたずらなどの対策が必要になる点にはご注意ください。
18. 太陽光発電
自宅や駐車場の屋根などにソーラーパネルを設置して、太陽光発電で不労所得を得ることができます。生成した電力は自宅で使用でき、余った電力は電力会社に売却して収益化できます。
初期投資としてソーラーパネルの購入と設置費用が必要ですが、長期的には電気代の削減や売電収入により、安定した不労所得が期待できます。設置場所や日照条件が収益に影響するため、事前の調査が重要ですが、環境に配慮したエシカルな土地活用方法としても注目されています。
19. 不動産投資
アパートや商業用不動産などの物件を購入し、賃貸に出すことで不労所得が得られます。賃料から得られる収入は安定しており、長期的な資産形成が可能です。物件の管理やメンテナンスは、専門業者に委託することで手間を軽減できます。
通常、不動産投資ではローンを組んで物件を購入します。年間で得られる不労所得は、年間家賃収入からローン返済額やその他の経費を差し引いた金額になります。ただし、災害や空室、設備の故障などによって、ローンが返済しきれなくなってしまうリスクも十分にあります。長期的な視野をもって、慎重に判断しましょう。
20. 不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多くの投資家から少額ずつお金を集めて、その資金で不動産を購入・運用し、利益を分配する仕組みです。通常の不動産投資とは異なり、ひとりで高額な不動産を購入する必要がなく、手軽に始められるのが魅力です。
ただし、投資したお金はすぐに引き出すことが難しく、運用期間中は資金が拘束されるため、急な現金化ができない点に注意が必要です。
21. 株式投資
企業の株式を購入し、配当金や株価の上昇から収益を得る方法です。長期的に安定した収益を期待できる一方で、短期的な株価変動のリスクもあります。分散投資や長期保有を行うことでリスクを軽減し、着実な資産形成を目指すことが可能です。
株式市場や企業の業績を定期的にチェックし、適切なタイミングを判断することが重要です。
22. 投資信託の運用
プロのファンドマネージャーが運用する投資信託に資金を預けて、運用成果を分配金として受け取ることができます。株式や債券などに分散投資されるため、個別株よりもリスクを抑えて投資することが可能です。初心者でも始めやすく、長期的な資産形成に適している一方で、種類が多様なので、自分のリスク許容度や投資目的に合った商品を選ぶことが重要です。
23. FX投資
外国為替証拠金取引(FX)は、通貨の為替レートの変動を利用して利益を得る投資手法です。投資資金の25倍まで取引が可能な「レバレッジ」を利用できるため、短期的に大きな利益を狙えますが、リスクも高く、慎重な判断が求められます。
市場の動きをリアルタイムで監視し、タイミングを見計らって売買を行う必要があるため、厳密には不労所得と言い難いところがあります。市場動向の理解とリスク管理が肝要です。
不労所得の種類
不労所得は、稼ぎ方で大きく2つに分けられます。1つは、自分で作ったサービスやコンテンツから得る不労所得です。2つ目は、すでに所有している財産などを投資して得る不労所得です。いずれも「不労」というだけあって、在宅で収益を得られるものがほとんどです。
サービスやコンテンツから得る不労所得
商品の販売による収入
アプリやSaaS型のサービス、コンテンツを販売することで、不労所得を得ることができます。一度開発すれば、これらのデジタルコンテンツは、追加の労力をほとんど必要とせずに収益を生み続けてくれます。特にサブスクリプションの場合は、安定した収益を継続的に得られます。
マーケティングや広告による収入
SNSアカウントやブログなどのコンテンツを利用したマーケティングでも広告収入が得られます。アフィリエイトマーケティングとは、他社の商品を宣伝して、紹介リンクを通じて購入されるたびに手数料を得る方法です。ただし、ステマにならないように注意する必要があります。
ロイヤリティ収入
自分が書いた本や作曲した曲の印税、発明した特許からロイヤリティを得ることも、不労所得の一つです。誰かが購入したり使用するたびに、ロイヤリティが支払われる仕組みです。
投資から得る不労所得
投資の配当金
自分の資産を投資に回すことで、配当金として不労所得を得ることができます。例えば、上場企業の株式を購入すると、会社の運営に直接関わらなくても、株主として利益の一部を受け取ることができます。投資信託などで運用をプロに依頼することも可能です。
不動産収入
不動産の賃貸は不労所得の一形態です。物件を購入し、賃貸に出した後、ローンの支払いやその他の経費を差し引いた分が利益になります。
リースやレンタル料金
機器をリースしたり、資産を貸し出すことでも、不労所得が得られます。たとえば、駐車場やスペース、コインロッカーなどのレンタルがあります。
まとめ
不労所得とは、一度仕組みや資産を構築することで、その後はほとんど労力をかけずに継続的に得られる収入源を指します。不労所得があれば、生活の安定を確保して、老後や予期せぬ事態に備えることができますが、初期段階に一定の時間や努力、資金が必要になります。
不労所得には、サービスやコンテンツの販売から得るものと、投資や賃貸など既存の資産を活用して得るものがあります。サービスやコンテンツの販売では、少ない予算で始められるアイデアもたくさんあります。この記事を参考に、あなたのスキルや資金、時間、興味があることを見つめ直して、最適な方法を見つけてみてください。
不労所得についてのよくある質問
不労所得が危険といわれる理由は?
不労所得が危険といわれる理由には、投資金額を回収できないリスクがあることが挙げられますが、これは投資で不労所得を得ている場合の話です。 また、不労所得に関連する詐欺の増加もひとつの要因と言えます。「簡単に不労所得が得られる」「誰でも不労所得が作れる」と宣伝しているビジネスや投資話には要注意です。不労所得のノウハウを高額な情報商材にして売りつけようとするケースもあります。自分でもできるだけリサーチをして、信頼できる情報源から情報を入手するようにしましょう。
不労所得で生活している人は存在する?
はい、不労所得で生活している人は存在します。ただし、安定的に不労所得を得るためには、一定の時間と努力が必要になります。不労所得が安定した収入源となるまでは、本業と並行して行うことをおすすめします。
不労所得も確定申告が必要?
不労所得も確定申告が必要です。給与所得以外の収入が年間20万円を超える場合は、確定申告を行ってください。
文:Taeko Adachi